源氏物語 葵

紫式部

Original language · as published

そのうちに、かの御かたの御こと、うちとけてはべれど、君が心にかなふことあらんとて、御すがたおどろかぬようにと、いとつつしみてさぶらひければ、見る人の心もなぐさめられて、いとだにかしこきまじりてものうき心もすこしやはらぎぬ。葛の花の咲きわたるころに、かくのごとくやすらはでやがて物わびるままに、いとあぢきなきさまにて日ごろをすごしけり。

    源氏物語 葵 — 紫式部 · Original Japanese | Lectio · Lectio